黄金律?今やるべきことは何だ?

また、黄金律だ。

ナポレオン・ヒルの成功哲学をマスターするには、黄金律を理解しなければならないようだ。

ぼくは眠い目をこすった。

もう夜中の2時過ぎだぞ。

もう一人の自分が、自分に問いかけた。

「おい、明日も会社だぞ。起きられるのか?」

「大丈夫だ。何とか起きる。会社に行けば出張扱いで喫茶店で昼寝だ。」

「おまえも落ちたな。それじゃ、普通のサラリーマンじゃないか。」

「なんだと!サラリーマンじゃない。ビジネスマンだ。これも黄金律を理解して巨万の富を手に入れるためだ。私利私欲じゃない、会社のためにもなる。」

「そうか、分かった。好きにしろ。」

自分との葛藤は、常に都合の良いほうが勝つ。

そんなのでいいのか?

やむおえん。

自然界は弱肉強食の世界だ。

常に強い者が勝つ。

弱いものは食べられる運命だ。

それが、食物連鎖じゃないか。

幼かったころ、テレビで見たライオンがシマウマに襲いかかるシーンを今でも鮮明に覚えている。

そんなことがあっていいのか?

「シマウマはどうしてライオンに食べられちゃうの?」

幼いぼくは、歳の離れた兄に問いかけた。

「ライオンの方が強いからだよ。」

賢かったぼくは、そんな幼かったころに自由主義社会のメカニズムを理解した。

食べられる運命のシマウマに同情している余裕はなかった。

我が家の食卓は兄弟3人であり、食事中はまさにアフリカのサバンナと化していたものである。

しかもぼくは一番下のちびっこだ。

「ぼくも強くなりたい。めざせ、ライオン!」


今はどうだ。

「ライオン?はっはっはっ、借りてきたネコだな。」

ぼくの中のもう一人のぼくが笑う。

「まあ、今のうちに笑っておけ。今に黄金律を理解して大金持ちになってやる。」


しまった!余計なことを書いているうちに2時半だ。

しょうがない。

今日はもう寝よう。

黄金律の解明は明日のお楽しみに取っておこう。


そういえば、幼いころ一番好きなお菓子を最後に食べようと思って取っておいたら、横から素早く手が伸びてきて一瞬で消えたことがあったな。

悲しくて泣いた。くやしくて泣いた。泣いている自分がはらただしくてまた泣いた。


その時の教訓が生かされてないぞ。

もう、やるべきことを先延ばしにするのはやめよう。

今、やるべきことは何だ?


そう・・・寝ることだ。